Fashion + Technology = Fashtechの時代へ
Fintechという流れ
Fintechという言葉はご存知であろうか。Financial:金融とTechnology:技術とのミックスによって作られた言葉である。最近の金融業界はFintechに関する話題が絶えない。例えば,千葉銀は顧客の投資信託銘柄の選定をサポートするために,「PORT STAR」というロボ・アドバイザーを採用すると発表した。以下のPDFを参考としていただきたい。
http://www.chibabank.co.jp/news/kojin/2016/0704_01/pdf/news20160704_01_001.pdf
と,まあこのような感じで金融業界にIoTやAIなどのようなテクノロジーを導入することをFintechは指しているのである。
Fashion業界にもTechnologyが
バーバリーが今年の2月に,コレクションの発表形式を変更するとして話題になったことは比較的記憶に新しいことのように思う。コレクションのストリーミング配信に加えて,発表直後にオンラインでの予約販売を可能にしている。これらのキャンペーンの思惑はおそらく,新しい商品を消費者にタイムレスで提供することによって,その話題性で新規顧客の獲得と既存顧客の単価を上昇させることであるが,どちらにしてもファッション業界にテクノロジーは意外と落とし込まれつつあるのだと思う。
Instagramといえばファッショナブルでリア充感をウェイウェイにアピールできるキラキラ系SNSの代表格としてお馴染みであろう。様々なファッションブランドがInstagramに公式のアカウントを作成し,新商品の紹介やセールの情報告知などに勤しんでいる。更にはInstagramをツールとして活用するファッションブロガーを広告塔として起用するような動きも盛り上がりつつあるようだ。
有名ファッションブロガーに自社の商品を合わせてコーディネートさせることで,PRの一端を担わせるというものである。こうしたSNSを用いる手法によって,そのブランドのことを知らなかったけれども,ファッションに興味があって当該アカウントをフォローしていたフォロワーがポテンシャルカスタマーに様変わりするのである。
また,ZARAなどのブランドを展開するインディテックス社は商品の管理にRFIDを活用している。参考に挙げた上の記事は2014年にインディテックスがリリースしたニュースに基づいているものであり,約2年が経過した今では日本国内のZARAの店舗ではほとんどすべてがRFIDによって在庫が管理されている。
RFIDによる在庫管理によって,公式オンラインストアから十店舗の在庫が確認できるようになり,店頭に立つスタッフも在庫の問い合わせに対して今までよりもスムーズな対応を行うことができるようになったはずである。更に言えば,自店で売れている商品と他店で売れている商品とをリアルタイムで確認することが可能になったために,店舗のコーディネートに一助を添え,売上の増加を数値データという側面から担保できるようになったということである。
Fashtechは発展途上
テクノロジーの発達によって,新しくもたらされたSNS,AIやIoTなどによって,金融業界がテクノロジーによってそのあり方を変えつつあるように,ファッション業界は少しずつその販売,流通などの方法をアップデートしつつある。
表に示したのは,google検索における各ワードのヒット数である(2016/07/05,19:13現在)。これを見ると明らかなように,Fashtechという言葉はいまだにそれほど浸透しておらず,認知度は低いものと考えられる。
この記事を通して,覚えておいてほしいことはFashtechの時代が来つつあるということと,ここに目を向ければ新しいビジネスの提案を行えることができるかもしれないということである。