服飾方法論

ライフスタイルを包括的に考える

【2015/S/S】ダルがりだけどトレンドをおさえたいあなたに【デニム】

そろそろ暖かくなってきた...?

 3月に入り,気温はまだまだ低いものの時折吹く風の匂いに春の訪れを感じるような季節になってきた。ダウンジャケットやダッフルコートに代表されるような重衣料はそろそろタンスに閉まって,少し軽めのアウターで身軽に街に繰り出したい気分である。ファッション業界ではもはや2015-16/A/Wのコレクションも軒並み発表され終わって,さらに次の春夏へと進んでいるわけであるが,そんなところまで俺らは気にしていない。とりあえず目前の春夏をどのように攻略するかが問題なのだ。

 ということで,次のトレンドを少しだけ解説するからコーディネートに取り入れるための一助となればと思う。

2015/S/Sはメンズもウィメンズもデニムを着ておけばO.K.!

 メンズのトレンドもウィメンズのトレンドもそれぞれ特徴的で考えにくいところが多いわけである。しかしながら今季はどちらも「デニム」が猛烈にプッシュされている。

 それぞれについて解説するのは面倒くさい。何よりナマコが一番のダルがりであるから,共通項として抽出できるテクニックやポイントを紹介することにする。

(1)デニムオンデニムにも果敢に挑戦!

 今季はデニムオンデニムに恥じることなく着あわせることが出来る。トップスとボトムスのインディゴに濃淡をつけてニュアンスのある着こなしをするのもいいけれど,今期はどちらも濃紺にして,つやつやに磨かれた黒のオペラパンプスなんかを合わせてみると新鮮。トップスにもボトムスにも色あせてダメージ加工されたデニムを細身で合わせたら,ウィメンズなら黒のレースアップサンダル,メンズならビビッドな発色のビットローファーを合わせればそこそこにクール。

(2)色でも,素材感でもニュアンスをつける!

 コレクションブランドの提案という虎の威を借りさせていただくが,先に述べたデニムオンデニムでもなんでも「素材感で」ニュアンスをつけることが最も簡単で新鮮なテクニックだ。ボトムスはポリウレタンコーティングがされたデニムを履いて,トップスにはデニムジャケットを羽織ったりなんかすると,やぼったさ皆無でコーディネートが提案される。

http://www.wwdjapan.com/collection/wp-content/blogs.dir/3/files/prada-2015-ss-milan-mens-rtw/PRADA-2015-SS-MILAN-MENS-RTW-22.jpg

(WWDJapan.comより)

 上の写真はPRADAのコレクションでの一枚である。全体をブルーでまとめていることと,トップスとボトムスとの素材感の違い,そしてステッチワークに着目すると良いだろう。

(3)色としての「デニムブルー」に着目

 もはや,素材としてのデニムではなく,早い話が「デニムブルー」がトレンディ。とどのつまり,「ブルー」がメンズ,ウィメンズ共にキーカラーとして提案されている。ネイビーのレザージャケットに青と白の大きなギンガムチェックシャツなんかを合わせてあげれば,都会的で目を引くスタイルが完成されることは言うまでもない。

 定番で永遠のワードローブであるデニムがこうも意図的にトレンドの1つとして消化されることには憤りを隠せないことは間違いないが,おそらくこのトレンドは特異点であってデニムと言う存在はこれからもベーシックなものとしてコーディネートに息をひそめるだろう。カモフラージュ柄と違ってね。