服飾方法論

ライフスタイルを包括的に考える

何を気にする?日本男児が挑戦できないファッション

メインストリームはイタリア

 お洒落な国と言えばイタリア,お洒落な都市と言えばミラノ。固定観念とは怖いものとはいえ,こうして簡単に想像することが出来る。日本で刊行されているメンズファッション誌のメインストリームも大体はここにフォーカスしている。Men's ExやUOMO,Mens Clubなどをパラパラとめくれば,そういうお洒落な国の現地人のインタビューだったりスナップだったりが載っている。早い話がメンズファッション誌はメインテーマとしてイタリアンファッションを提案しているのであるが,どうも日本人のファッションと提案されたそれとの間にギャップを感じる。そのギャップは具体的には何なのか,街中を歩く日本男児を参考にして考えてみた。

(1)ポケットチーフ

 スーチングやジャケパンスタイルで最も欠かせないのがこれ。朝の身支度にひと手間加えるだけでぐっとこなれて見えるのに意外と浸透していない。恥ずかしいのだろうか。

 中には会社の規則としてチーフを禁止されているというような場合もあるかもしれない。その際は諦めがつくのであるが,逆にジャケパンが許されているような会社でチーフを挿していないとは何事であろうか。

 1つだけ,チーフを挿す抵抗感を助長していると思われる潮流がある。それは”ファッショニスタ”や”オシャンティー薀蓄"である。例えば,「春夏はリネンのチーフで季節感を出したい」とか「シャツとチーフとの素材を合わせてコーディネートに統一感を出す」とか「フォーマルな会議ではTVフォールドで」とかとか...。彼らのこうした一言が抵抗感を助長しているのは言うまでもない。今までチーフを挿してこなかった人が気軽にチーフを挿してみようという気持ちをだいぶ削いでいる。

(2)ネクタイ:ディンプルの作成

 ディンプルと言うのはネクタイのノットに現れる(というか作り出す)くぼみのこと。男を上げる(o^-`)b 〜ネクタイの結び方 - NAVER まとめから画像をお借りして来たから参考にして。

これがあるかないかでその人が服装に気を使っているかいないかが直ちにわかる。勿論のことナマコもタイドアップの際はディンプルを作っている。

 これって小ネタのように見えるけれども,実際の所イタリア人たちはこぞって作っているし,彼らを追いかけるメンズファッション誌でもちらほらと言及されたりしている。それでも浸透しない。ネクタイは結ぶのにディンプルは作らない。これがヒント。ネクタイはほとんどすべての日本男児が結ぶのにそのなかでディンプルを作っている人口は半数にも満たない。この原因は単純にアナウンス不足。もっとディンプルの存在を浸透させて,作り方も教える。同僚に,お父さんに,後輩に,上司に。地道に広げていってください。”ファッションコンシャス”なあなたが。

結局のところ

 2つしか実例を取り上げなかったけれども,ビジネスパーソンな日本男児に関わっている挑戦できていないファッションってこのぐらいだと思う。例えばベルトの色と靴の色を合わせるとかいうようなことって暗黙の了解だと見做していいから。

 次はカジュアルなやつとかも取り扱ってみたいけれども,ここらへんで失礼。